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皇月ノエルはこんな人

光と音に敏感な「繊細さん」(HSP)。小説家をしています。
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「第17回星の砂賞」審査員奨励賞受賞作「紙の森」
――悲しみから、朝が芽生える。
「ハナビシソウ」
――知らなかった。先祖が僕を見守っているなんて。
「もがり」
――これだけは覚えておいてね。私が、ずっと君を好きだっていうこと。
星の彼方から君を愛す
ご一読いただけますと嬉しいです。

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良い話&SAN値注意!「本」をめぐる4つの物語【『キャクストン私設図書館』ネタバレなし感想】

小説 -novels-
Image by Vural Yavaş from Pixabay

こんにちは。皇月ノエルです。

心惹かれた『キャクストン私設図書館』

落ち着いた色味の背表紙と、そこに書かれたタイトルに惹かれて手に取った本、ジョン・コナリー著『キャクストン私設図書館』(原題:Night music: Nocturnes2)が予想の50倍くらいすごい本でした。

4話収録の短編集(中編含む)です。

ファンタジーともホラーとも分類しがたい、不思議で魅力的な世界観の連続。

今回は結末のネタバレに配慮しつつ、感想をまとめたいと思います。

 

感想たち

愛書家・書き手として魅惑を感じずにはいられないコンセプト

そもそも、『キャクストン私設図書館』とはなんなのか。

表紙を開いた袖の部分に、答えがありました。

あらすじからの抜粋です。

初版本と手稿本を所蔵するその古びた図書館には、人々に広く知れ渡ったがゆえに”実体化”した物語の登場人物が住んでいた。

そう、キャクストン私設図書館は、ただの図書館ではありません。

有名な登場人物たちが、実体となって住んでいる世界なのです。

物語の中で明らかにされる奥深さには、魅力しか感じません。

かつて心ときめかせ、冒険のなりゆきを見守った人たち――

シャーロックホームズや、小公女や、ロビンソン・クルーソーや……そういうひとたちが実在し、会って話ができたとしたらと、愛書家なら一度は夢想したことがあるのでは?

世界のどこかに、公にならない形でキャクストン私設図書館が実在しているとしたら……実在しているかもしれない――。

そう思わせてくれる文章に、楽しい空想がふくらむばかりです。

 

この作品集では、主に『アンナ・カレーニナ』と『シャーロックホームズ』が大きく扱われていますが、キャクストン私設図書館の蔵書は膨大。

他の登場人物たちとのエピソードもぜひ読んでみたくなる、想像の膨らむ物語でした。

 

また、私は『アンナ・カレーニナ』未通過なので、『キャクストン私設図書館』を楽しみ切れていないような感覚も残っています。

『キャクストン私設図書館』をきっかけに、まだ知らぬ有名作品に挑戦するのも楽しみ方のひとつかもしれません。

ラブクラフトっぽさも感じられる『裂かれた地図書――五つの断片』

87ページから281ページに渡って展開される壮大な中編作品『裂かれた地図書――五つの断片』は、『キャクストン私設図書館』と同じくらい読み応えがあり、印象に残るストーリーでした。

 

タイトルの通り『裂かれた地図書』という一冊の本をめぐる物語なのですが、とにかくスケールが大きい。

世界史で習ったような時代から、1900年代のロンドンまでに渡る5話は、一緒にその時代を駆け抜ける、ダイナミックな気分を味わわせてくれます。

そしてとくに私の印象に残ったのは、ジョン・コナリーの描く狂気。

途中から、「あれ、クトゥルフ読んでる?」と錯覚させられるような筆致でした。

未知の現象にリアルさを付与する圧倒的な描写力が、読者のSAN値を良い意味で削りにきます。

危うく、夜寝られなくなるところでした(笑)。それだけリアルに感じられる描写ということです。

読み終えてなお残る余韻と、物語世界について考えずにはいられない、読者を捉えて離さない作品でした。

シナリオ化したら遊びたい。

 

紅茶を片手に、イギリスの不思議な旅へ

作者のジョン・コナリーはイギリスの作家だそう。

『キャクストン私設図書館』に収録されている物語もその大多数がイギリスを舞台にしていて、イギリス好きとしても心惹かれる物語群でした。

随所に登場する、何気ない、あるいは意図的なティータイムの描写を目で追っていると、自分の鼻にも紅茶の香りが感じ取れるような、自分も一緒に飲みたくなるような気分にさせられます。

紅茶とスコーンを用意して席につけば、もう世界観に浸る準備は万端。

あなたも不思議な図書館に旅立ってみませんか?

 

Thank you for your reading!

I wish you all the best!

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