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人はなぜ山に登るのか?【田部井淳子著『それでもわたしは山に登る』読後感想】

ノンフィクション -nonfiction-
Image by Simon from Pixabay

こんにちは。皇月ノエルです。

【きっかけ】疑似的登山家になる

どちらかというと、私は明らかにインドア派。

登山の経験はほぼなく、小5の野外活動で泉ヶ岳に登ったくらい。

そんな私が「登山」という未知の世界に興味を持つきっかけになったのは、TRPGでした。

『狂気山脈~邪神の山嶺~』を遊んだことにより、「実際の登山て、どんな感じなんだろう?」という思いが湧いたのです。

人生初!TRPGコンベンションに参加してきました!【プロジェクト狼煙火 進捗】
こんにちは! 皇月ノエルです。 オリジナルTRPGシナリオ&小説版を作る!「プロジェクト狼煙火」の過去記事は、以下のリンクからどうぞ。   「仙台TRPG十年会」さんが主催するTRPGコンベンションに参加してきました!↓...

一応、狂気山脈を登頂したけど、コンベンション会場は酸素が薄くなるわけもなく、登山はあくまで疑似的なもの。

実際にPCたちとテント暮らしをしたわけでもなく、登攀できるだけの腕力もない(と思う)。

私はPCとして登山家を作っておきながら、登山家たちがなぜ山に魅かれ、「そこに山があるから」上りたくなってしまう理由と心情が、まったく分かっていないのです。

さらに言えば、世の中には有名な登山家が何人もいるはずだけど、私は誰一人として名前を知らない。

がぜん興味が湧いてきて、まずは登山関連の本を読み漁ろうと、図書館へ赴きました。

わかったこと:登山には2種類ある⁉

登山家の名前も知らなければ、どういう本を選べば良いかも分からないので(笑)、まずは図書館で「登山・アウトドア」というコーナーを見つけ、心惹かれたタイトルを手あたり次第借りてみることに。

興味の湧くものから順番に拾い読みしていった結果、ある重要な気づきを得ることができました。

登山には2種類あるということです。

1つ目の登山とは、「自然を楽しむ」とでも表現できそうな登山。

頂上付近まで木々と植物に覆われた山を歩き、花畑を眺めたり、魚を釣ったりする登山のこと。

そして2つ目の登山とは、エベレストなど、生命の気配がない「死の山」に挑戦する登山のことです。

 

この事実に気づいてから自分を振り返れば、「こんなことも分かってなかったのか」という思い。

その方面について何も知識がないと、本当に知識の探求が手さぐりになるんですね。

 

私が知りたかったことが、より具体的に言語化できるようになりました。

人は、どうして山に登るのか。

人は、どうしてエベレストなどの、生物の気配がない、雪と氷に覆われた世界に行きたがるのか。

 

うっかりしたことに、私が背表紙に魅かれて借りてきた登山エッセイはすべて日本人著者のもので、大多数の人が日本の山を楽しんでいる人たちでした。

雪山を扱うセクションはないに等しく、「ちゃうな」と感じながら拾い読み。

その中で1冊だけ、「こういうのが読みたかったのか!」と気付ける本に出会いました。

いちばん参考になった本『それでもわたしは山に登る』

その本こそ、田部井淳子さん著『それでも私は山に登る』(文芸春秋)です。

田部井さんという登山家は、エベレストを登頂した世界初の女性だそう。すごい。

第一章の「山から学んだこと」は示唆に富んでいて、雪崩の恐怖や登山での経験、人生訓などが盛りだくさん。

序盤から雪山の話題がたくさん出てくるので、「そうそう、私が知りたいのはこういうことだった」と気付くことができました。

雪崩の恐ろしさ

私はスキーに行ったことすらなく、雪崩をこの目で見たことはありません。

だから「雪崩は恐い」という知識を持ってはいても、「どんなふうに」という体験的な説明は何もできないのです。

『それでも私は山に登る』を読んだことで、雪崩がどんな風に怖いのか、巻き込まれるとどうなってしまうのかを疑似的に理解することができました。

特に、人間が歩いた振動で雪崩が起きるという概念には驚き。

家は人が歩けば振動するけど、地面には強固なイメージがあったので、「人が歩くと揺れる」という、よく考えれば当たり前のことに気づかされた感じです。目から鱗とはまさにこのこと。

山と狂気

また「気が狂うかと思った」的な表現が本文中に登場し、私は興味を引かれました。

クトゥルフ神話TRPGの「SAN値チェック」という概念がなくても、山とは人間の正気を試してくるものかもしれません。

特に酸素が薄くなると脳みそも働かなくなってくるのだろうし、物の見方がゆがんだりするのかな、などと感じました。

単行本52ページ「疲れている時はまちがえやすい」のセクションにもある通り、実際に酸素の薄い環境は人間の判断力に影響を与えるようです。酸素って大事。

 

シナリオ「狂気山脈~邪神の山嶺~」を書かれたまだら牛さんは実際に登山もされる方とのことで、あのシナリオは登山で経験する様々なエッセンスがちりばめられているのだろうな、と改めて感じました。

登山に詳しくなくても楽しかったけど、知識、さらに言えば経験があれば、もっとPCに共感しながら遊べたのかも。

登山隊の全員が登頂するわけではない

話を『それでも私は山に登る』に戻します。

もうひとつ驚いたことがあって、数十人規模の登山隊を組んで登山を初めても、全員が山頂を踏むわけではないんですね!

しかも結構な人数が高山病にかかることもあるらしく、文中には副隊長を務めた田部井さんが、隊長と共に、山頂へアタックする人を打ち合わせている場面が出てきます。

 

せっかく日常から遠く離れたところまで来たのに、そして山頂までもう少しなのに、頂上を見ずに下りるってどういう気持ちなんだろう。

それとも高山病にかかっていたら、具合の悪さでそれどころじゃないのかな。

あるいは冷静に判断できなくなっていて、登頂にこだわったりするのかな。

いろいろなことを考えました。

目に見える目標があるということ

「どうして、人は雪山に挑戦したくなるんだろう」

そんな疑問から始まった、登山系本の読書。

どの本にも、明確に「どうして筆者が山に登るのか」が書かれていたわけではありません。

けれど、考察する手がかりを得られたかな、という手応えはあります。

 

登山の動機に関連しますが、「あの山に登ろう」って、人生においてすごく良い目標設定だと思うんですよ。

そういえば借りてきた本の中に、「登山は中高年におすすめの趣味!」という視点で書かれているものもありました。

 

まず、山に登るためには体力が必要です。

つまり、意図を持って体力づくりに励むことができます。

さらに実際に山を登りはじめたら、自分が「山頂」という目標に対してどの辺りの位置にいるのかが物理的な意味で明確です。

自分の足で、どこからどこまで上って来たか。

今、全体の道のりのどのあたりにいるのか。

残りの道のりはどれくらいか……。

そういう途中経過が、目で見てすぐに分かる。

 

「目標を達成した」という達成感は、あらゆる努力の対象から得られる可能性があるけれど、「努力の経過が目に見えて分かる」目標は多くないのではないでしょうか。

その点で「頂上を目指す、そのために努力する」というのは明確で動機維持しやすい目標であり、明確であるからこそやる気が続きやすいのではないかと思うのです。

体力維持に役立ち、登れば達成感が得られる「登山」というアクティビティは、確かに退職後の趣味として良いかも。

もちろん年代を問わず、好きな人にとっては楽しいことでしょう。

 

私も影響されやすい人間なので(笑)、いろいろ読んでいるうちにちょっと登山してみたくなりました(^^)

 

関連:ステイホームでも綺麗な山に行きたい!

山に興味を持った人へ。

K2に挑戦した登山家グレッグ・モーテンソンが主人公の実話「スリー・カップス・オブ・ティー」もおすすめです。

↓私の感想記事はこちら

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これは写真集ではなく、書籍です。

……が、現地の高山地帯の風景が美しい描写で書かれており、疑似的に山を歩いている気分を味わうのに最適。

写真集も良いけれど、想像力を駆使して本の世界に入り込むタイプの人にとっては、家にいながら高山地帯を疑似体験できる本としておすすめしたいです(*´▽`*)

 

ご一読いただきありがとうございました。

Thank you for your reading!
I wish you all the best!

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