こんにちは。皇月ノエルです。
先日、ある方から本をいただきました。
事前にことわりのあったことですが、いただいた本にはすでに書き込みがなされています。
その方が読んだ時に、心に残った部分に線が引かれているようです。
読み始めてすぐに、私はあることに気づきました。
私が「心に残る部分だな」と感じた箇所は、その方が線を引いた部分と全く重ならないのです。
つまり、同じ本を読んでいるのに、「心に残る」と感じるのは全然違う部分だということ。
これまで生きてきた中で培った価値観や、感性の方向性の違いが、この違いを生み出すのでしょう。
本の内容を楽しむと同時に、「あの人は、ここが印象深いと思ったんだ」と、自分とは違う人の価値観を確認できる読書時間になりました。
こんなにも心に残る部分が違うのだな、と実感できると、不思議に感じることはどんどん増えていきます。
「これ、良い本だったよ」「そうだよね」と話が合っているように思えても、実際に「どこを良いと感じたか?」を突き詰めていけば、全く違う部分を指すのではないでしょうか。
同じ本を読んでいるはずなのに、何を感じたかはひとりひとりで全然違う。
ある意味この世には、同じ本なんて1冊もないのではないでしょうか。
同じ本を読んでいるようでいて、あるいは、感動を共有できているようでいて、実は全く違うものを見ている。感じている。
けれどそこに「感動した」という共通の言葉があるから、「良い本だったよね」「そうだよね」という同意の会話を生むことができる。
そう思うと、他者との埋められない違いを痛感すると同時に、深遠で不思議な気分にもさせられるのです。
人は自分だけの世界を持っていて、その真髄は他者には絶対に理解してもらえないのではないか。
けれどその一部は他者と似ているところがあって、そのわずかな「似ている」部分で共感しあって、理解を進めようとしているのではないか……などと。
Thank you for your reading!
I wish you all the best!
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