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「死」の前で何を感じるか【三島由紀夫と川端康成】

本の話 -books-
Image by Peter Novotny from Pixabay

こんにちは。皇月ノエルです。

 

先日、ある方からいただいた本を読みました。

「三島由紀夫 石原慎太郎 全対話」という対話集です。

取り上げられる話題は様々で、対話なら自然なことかもしれませんが、次々に移り変わっていきます。

文学、文章をどう書いているか、歌舞伎についての思い、女性、戦争論……。

 

印象的なところがたくさんありましたので、その中からいくつか書き留めます。

 

三島由紀夫――自分の考えを固すぎるほどに持っている人

まず最初にことわっておかなければならないのは、私は三島由紀夫という人について、ほとんど何も知らない状態で、この本を読んだということです。

知っているのは、彼が小説家であったこと、大学闘争の中で自害したことくらい。

三島作品はたくさんあり、どれから読むと良いのか見当もつかず、まだ手をつけていません。
(同書の巻末に掲載されている石原さんの文章からヒントを得て、「あれから読んでみよう」という三島作品の流れの目標ができました)

 

そんな印象の私がこの対話を読んで感じたこと。

それは、三島さんはかなり頑固で、自分の考えをしっかり持っていることです。

むしろ「しっかりしすぎている」とも言えるかもしれません。

 

文中(会話中)には、石原さんの発言に対して「いや、それは違うと思うな」と否定から入るくだりが多々見られます。

そして全体的に、三島さんが語る量が多い。

それだけ持論を持っていたということであり、裏を返せば人の意見を聞き入れられなかったのではないか……。そう感じました。

 

自ら死を選ぶ人の中には、思いつめすぎる、考えこんだところから抜け出せなくなる人が一定数いるのではないかと思っています。

過去の私もその一人でした。

考え、思いつめて思いつめて……。「死」以外の選択肢が見えなくなってしまう。

それが一番良い方法だと信じて疑わなくなる。

だから、そのまま突き進んでいく。

 

ある意味、頑固なのかもしれません。

柔軟さを失っている。

 

もしかしたら三島さんにも、似たような頑固さ、自分の考えの正しさを信じて疑わない部分があったのかもしれません。

人の意見を受け容れて、「自分とは違う考えや、物の見方もあるかもしれない」と考えることができれば、狭まった視野が広さを取り戻して、自死を実行せずに済むかもしれません。

 

心が疲れてしまった人は、時として視野の広さを失います。

三島さんは、持って生まれた頑固さをも持ち合わせていたのではないかと思いました。

 

「死」を前にして感じるものは何?

これが最も印象に残った部分です。

実はこの話題は、三島さんと石原さんの対話ではありません。

本の巻末に、石原さん単独の文章「あとがきにかえて」が掲載されており、三島さんの死当日についての記載があります。

 

263ページから、少し引用させてください。

僕はやっぱり、転がっている彼の首を見たら、何かを感じたと思う。

(中略)やはりあのとき見なくてよかった。あれを見た川端さんは、あれから変になっちゃったからね。

川端さんは明らかに、胴体から離れた三島さんの首を見て何かを感じとったんだろう。

本を読み終えてしばらく経っても、このくだりが私の頭から離れませんでした。

妙な言い方をすれば、いろいろ考えこむ格好の材料になるからでしょう。

 

答えの分からない問い。

人によって答えが違う問い。

自分の中にも様々な可能性が生まれる問い。

 

川端さんが「何」を感じ、もし私が同じような状況に置かれたとしたら「何」を感じるか。

 

ことあるごとに考えるテーマになるかもしれません。

 

 

Thank you for your reading!
I wish you all the best!

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