部下目線のビジネス書――出会いのきっかけ
こんにちは。スピリチュアル作家の皇月ノエルです。
先日、岩田松雄さん著『「君に任せたい」と言われる部下になる51の考え方」(サンマーク出版)という本を拝読しました。
実はずっと前から、岩田さんの他の著書『「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方』を読んでみたいと思っていました。
ところが、ちょうど図書館でこの本のことを思い出した時、目に飛び込んできたのが『「君に任せたい」と言われる部下になる51の考え方」の方。
「岩田さんは他にも本を書いておられたのか。
しかも、部下目線? 面白そう!」
そう思った私は、まずこちらを借りて読んでみることにしたのです。
発見したこと・感想たち
部下目線から上を見上げると
私はビジネス書を読むことが趣味のひとつなのですが、いつも選ぶタイトルには傾向があります。
「一流」の2文字が入っていることです。
「一流の人の○○」「○○の一流、二流、三流」などなど。
理由はずばり、一流になりたいから。
もちろんいきなり社長や経営者を目指しているわけではないけれど、早い内から上に立つ人の目線を持っておくことで、より広い視点を手に入れられるのでは……。
と考えているのです。
そんな風ですから、部下目線で書かれた本を手に取るのはおそらく初めてでした。
これがまた、学びが多い。
表紙にもある通り、著者の岩田さんはスターバックスの元CEOです。
初めて勤めたのは日産自動車、さらには転職を繰り返す中で、数々の有名企業に在籍した経験をお持ちだそう。
つまり、平社員から社長(CEO)まで、様々な立場を経験されているということです。
本の中では岩田さんの実体験が数多く語られており、実体験つきの「部下としてのエピソード」を読みながら学ぶことができます。
経営者、上司から見た理想の部下像はもちろん。
仕事にやる気が出せない部下、上司とソリの合わない部下の目線に立って文章を書いてくださっている。
それが親近感と、「分かる!」「この気持ち体験したことある!」という共感を呼び起こし、ますますメッセージが心に染み入りやすくなっているのです。
上司は「お客様」? 能動的に仕事をするには
本の中で、私にとってものすごく印象的だったフレーズがあります。
上司をお客様だと考える、というものです。
まさに、目から鱗が落ちました。
人から「あれやれ」「これやれ」と頼まれるのは苦手、嫌い。
そう感じる人が多いのではないでしょうか。
少なくとも、私はあまりにいろいろ頼まれるのは嫌いです。
シンデレラにでもさせられた気分というか、損な役回りだと思ってしまいます。
でも、新人や後輩というのは、大体の組織でこの「損な役回り」からキャリアをスタートさせますよね。
だからこそ、「やらされ感」を拭うことができない。
でも、もっと能動的に仕事に向き合った方が良いはずだし、仕事も楽しくできるはず。
とはいえ、そんなやり方はあるのだろうか……。
そんな風に考えていた私ですが、「上司はお客様」という考え方が、私のイメージをガラリと変えました。
上司・先輩には上司の仕事があります。
それは前から理解していました。
上司ひとりの手ではやりきれないからこそ、あるいは部下・後輩を育てたいと思うからこそ、上司は人に仕事を割り振るのです。
それは、顧客から仕事を依頼されるのと同じでは?
上司から高い評価と信頼を得ることができれば、どんどん仕事を任せてもらえるようになるでしょう。
まさしく、顧客から「ひいき」にしてもらうのに似ています。
お客さんに良い時間を提供したい、良いサービスで満足してもらいたいと思うのは自然なこと。
同じように、上司にも満足してもらえるよう、与えられた仕事に向き合えば良いのです。
文章を追いながらそれに気づいた時、「あ、そっか!」と気付きのスイッチが入った感じでした。
ずっと釈然としなくてもやもや漂っていたものが、一気にすっきりした形になったのです。
報連相の度合いとは?
報告・連絡・相談。
社会人……というか、人として必要なスキルのひとつです。
でも、何を、いつ、どのくらい、報連相すれば良いのか?
本の中に岩田さんなりのやり方が説明されており、参考になりました。
人によって話の理解の仕方が違うから、上司に合わせて報連相のやり方を工夫する。
タイミングを見極める。
頻度はどれくらいが好みか、上司を観察する。
仮に「上司もお客様のひとり」と考えれば、上司に合わせることの苦がだいぶ減るというものです。
頼れる先輩からのアドバイス――岩田さんの優しい書き口
3つ目に印象的だったのは、岩田さんが書く文章そのもの。
お名前から男性だということは分かりますが(ネットに写真が出てきて、実際に男性でした)、
文章から伝わってくる雰囲気がとても優しい。
柔らかさがあるのです。
ビジネス書の中には「俺はこう思う!」「これが正しい!」とまっすぐ貫いてくるような、鋭い強さを感じさせる文章のものもあります。(男女問わず)
岩田さんは数々の企業のCEOを務められているので、私はその経歴から先入観を持っていました。
良い意味で裏切られた感じです。
「理想の部下としての振る舞いを教えてやる!」という雰囲気で、上からくるんじゃないかと思っていました。
けれど実際に本を読んでみれば、偉そうな感じはまったくない。
それどころか、「大企業の元CEO。えらいひと」というより「頼れる先輩」という風情です。
「ぼくはこの方法で上手くいったんだ。体験談として教えるから、何かの役に立てばいいな」
まるで語りかけるように優しく、体験談つきの教訓を聞かせていただいているような気持ちになりました。
本に書いてある内容がすんなり理解できたのは、岩田さんの持つ雰囲気のお陰もあるかもしれません。
信念を持って働く、仕事に楽しみを見つける
岩田さんのような働き方ができたら、仕事はもっと楽しくできるだろうなと感じました。
今度は、『「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方』もぜひ読もう! と思っております(^_^)
また良い本に出会いました。
Thank you for your reading!
I wish you all the best!
コメント