こんにちは。スピリチュアル作家の皇月ノエルです。
パチンコ屋の休憩室に、ほとんど必ず置いてある漫画「DEATH NOTE」。
ずっと眺めているうちに興味が湧き、読みはじめるとハマるまでに時間はかかりませんでした。
今10巻くらいまで読み終えたところです。クライマックスまで楽しみ。
非常に遅ればせながらではありますが、「DEATH NOTE」という作品について感じたことを書いてみたいと思います。
今ハマるからこそ分かる良さ
小学生の自分にはただの「怖そうな話」だった
リアルタイムで「DEATH NOTE」が流行ったのは、確か私が小学生の頃だったと記憶しています。
作品名としては、当時から知っていました。
クラスメイトの何人かが、「DEATH NOTE」ごっこをして遊んでいたことも覚えています。
当時少しだけ興味を持って、友達に「DEATH NOTEってどんな話?」と尋ねました。
返ってきた答えは「デスノートっていうノートに人の名前を書くと、人が死ぬ話」
当時抱いた感想と言えば……。「なにそれ怖い」。終わり。
私はホラー系が苦手なので、「死神が出てくる」とか、「名前を書くと人が死ぬ」というだけで、自分にとっての「怖い要素」は満たしていました。
それで、それ以上は踏み込まず「怖い作品が流行ってるな」程度の認識だったのです。
今だからこそ頭脳戦が楽しめる!
いざ漫画を手に取ってみると、ノートの存在は重要ではありながら、それ以上に大切なポイントがあると分かりました。
それは、キラとLの頭脳戦です。
「キラがノートを持っていること」と、「姿の分からないキラを捕まえようとするL」の駆け引きがあるからこそ、「DEATH NOTE」は面白い。
そして夜神くんがどれだけすごい天才かは、私が夜神くんより年上になったからこそ分かること。
仮に小学生の頃、リアルタイムで「DEATH NOTE」にハマっていたとしたら……。
両者の駆け引きの妙や、いかに夜神くんが頭の切れる人間であるかということには、全く気づけていなかったと思います。
またリアルタイムの波に乗れなかったのは残念ですが、「今だからこそ楽しめる視点」を持っていることは貴重なので、しょうがないなと感じています(;´∀`)
小説版にも見事に騙された!(良い意味で)
キラと出会う前の人々
原作漫画に加えて、小説版にも触れる機会を得られました。
読んだのは、「DEATH NOTE ANOTHER NOTE ロサンゼルスBB連続殺人事件」という1冊。
最初、事件名の「BB」って、サバゲ―とかに使う「BB弾」のBBかと思いました(笑)。
安直でした。
本編を補完し、世界観をさらに深める1冊として、読んだことのない方には力強くおすすめしたい本です。
以下ネタバレ注意で、私が感動したポイントを書かせてください。
小説の視点主が熱い ※ネタバレ注意
小説は、まえがきにも似た「HOW TO USE IT」という章から始まります。
この章を少し読み進めると、このノートを書いた人物の正体に思い至って大興奮。
なんと、あの「メロ」の手記なんです!
(まだクライマックスまで読んでないのですが、メロって最後どうなるんですか?分からずに書いてます)
板チョコ大好きなところに勝手な親近感を抱いて、私はちょっとメロのことを応援したりしてました。
メロはLの後継者候補でありながら、いじけて後継者の座をニアに譲ってしまうし……。
Lに憧れていることは感じ取りつつも、何を考えて行動しているのか掴めずにいました。
だからこそ、この物語の視点主がメロに設定されていて、「かゆいところに手が届く」感覚を味わったんです!
ちなみに通読して、メロがLのことをとても尊敬していたことを知りました。
Lを尊敬する心があったからこそ、後継者となることにある種の抵抗があったし、事件の犯人にも共感めいた思いを抱いたのでしょう。
これはLが解決した事件の記録であると同時に、メロの心情に迫ることのできる作品でした。
これから死ぬ人たちの活躍が切ない ※ネタバレ注意
「ロサンゼルスBB連続殺人事件」の時間軸は、キラ事件より前に設定されています。
エピソード0的な話にはよくあることですが、この小説にも「本編で死ぬ人々」が登場します。
私が特に切なさを感じてしまったのは、FBIのレイ・ペンパーと南空ナオミです。
事件捜査の過程では主に南空視点で進行していくので、本編ではうっすらとしか分からなかった彼女の優秀さを間近で知ることができて、改めてすごいと実感できます。
2人ともこんなに優秀だったのに、それぞれの生活があったのに……。
キラの都合によってあっさりと殺されてしまう。
その無情さ、儚さ、切なさ……。やりきれない思いをしました。
Lになりきれなかった子どもたち ※ネタバレ注意
「page4.」と題された4章に、ワイミーズハウスについての記述があります。
Lのコピーが作れればどうか。Lのバックアップが取れればどうか。
それが僕達だ。
(中略)
コードLすら与えられていなかった、失敗が前提のテストタイプだったのだ。
ニアとメロは「第四世代」と呼ばれているそうで、事件の犯人である「B」はワイミーズハウス創成期からいるメンバーということでした。
つまり、ニアとメロよりも「Lのコピー」としての実験台的要素が強かったということです。
Lという卓越した才能に近づくため、あるいはそのバックアップを取るために、世界中から集められた子どもたち。
Lになることを目標に育てられる子供たち。
それはまるで、「ガンダム」に出てくる強化人間、人造ニュータイプにも似ています。
生まれつきではなく、実験によってニュータイプの特性を与えられる子どもたち。
中には実験を耐え抜く子と、自ら命を絶ったり人格が崩壊する子がいました。
(「ガンダムUC」や「ガンダムNT」に詳しいです)
ワイミーズハウスでも、ニュータイプの実験と同じようなことが起こったと想像できます。
ニアとメロは、比較的成功した事例。
そして事件の犯人となってしまったBは、逸脱してしまった事例です。
彼らに罪はないし、「優秀な頭脳のバックアップを」と考えた発明家ワタリにも、罪はないのではないかと思います。
だからこそ、上手くいかない時期があったことが悲しいし切ない。
Bに同情し彼を悼むメロに共感してしまいます。
Lのパンダ目に迫る描写がありがたい! ※ネタバレ注意
Lといえば、独特の座り方とパンダ目が特徴的かと思います。
このパンダ目についての描写が、私にとってはとてもありがたいものとなりました。
小説の中ではこのような描写がされています。
まるで何日も――いや、生まれてこの方一度も眠ったことがないかのような、そんな有様だ。さながらそれは、正義の名の下、ありとあらゆる事件を解決するために、考えるべきことがあまりにも多過ぎて、だから一睡もしていないかのごとく――
漫画を読んだだけの私は、Lのパンダ目について、
「変人というか、人並外れた天才であることを印象付けるための外見設定なのかな」程度に考えていました。
けれど上の文章を読んで、Lの外見にそれ以上のものが含まれていることに気づいたのです。
Lはただの天才ではなく、自らの意思で探偵という危険な仕事を続けているのでしょう。
そして小説の中で言及している通り、それは「優しい正義」のためなのです。
Lの中にある正義感が、Lのちょっと不健康そうな見た目や雰囲気を作り出しているのではないでしょうか。
自分の外見に気を遣う前に、解決しなければならない事件がたくさんある。だから自分のことにかまけている時間も、その必要性も感じていない……。
私は最初、Lは天才であるがゆえに「否応なしに探偵をしている」人物なのかなと勝手に感じていました。
成り行き上、探偵になってしまったというか。
けれど小説を読み、絵では表現しきれない内容に触れたことで、その認識は変わりました。
Lは自らの意思で探偵をやっており、南空ナオミとは違って正義感を持ち職務に当たっているのです。
それが彼女とLとの対比になっているのではないでしょうか。
もともと「どちらかというとLが好き」だったのですが、小説を読んだことで「L! 断然Lでしょ!」と熱心なL信者になりました(笑)。
小説まだの方はぜひ!
はい、結局漫画よりも小説版について語る記事になりました(笑)。
とはいえ漫画をある程度読み進めなければ、小説版の背景を想像したり、内容を深く理解することはできないでしょう。
両方合わせておすすめしたい一冊です。
遅ればせながら……ではありますが。
漫画は読んだし、ドラマも映画も見た。
でも、小説は読んでない。
そういう方に、力強くおすすめしたい1冊でした!
Thank you for your reading!
I wish you all the best!
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