人と話すのが苦手だ。(嫌いではない)
相手の顔色をうかがうことが癖のようになっているからかもしれない。
相手は現在の話題に飽きてはいないか。
私は自分のことばかり話し過ぎていないか。
相手にも適切に話題を振らなければ。
……適切ってどのくらいだろう。
誰に教わったわけでもない、分からない。
どこで練習し損ねたのか、とにかく、会話にものすごい神経を使っている。
そんな私だが、第一印象には好感をもってもらえることが多い。
「またぜひ今度」と言われ、実際に2回目の声がけをもらえるのだ。
周囲から見ると、はきはきしているように見えるらしい。
やっていることに名前をつけるとすれば「テンプレインストール話法」だろうか。
意識の中に無数の「セリフテンプレート」があって、それを組み合わせて喋っている感じだ。
最近のテンプレが何で構成されているかというと、主成分は実況者さんたちの動画。
喋り方、メンバーとの掛け合いの仕方、ナレーション的喋り方、真面目そうに見える話し方などが染みついていて、私はそれを場面ごとに使い分けている感じだ。
喋り方は○○さんに寄せて、自分が言いたいことを穴埋め式にあてはめていく。
まるで夏休みの宿題のように。
特に、3人以上で活動している実況者さんに動画からは大いに学ばせていただいている。
私は3人以上での会話が苦手だから、会話の間合いやツッコミ、話の進め方などを勉強させていただいているのだ。
かなり持論を展開してコネても、みんな割と聞いてくれるんだなというのも、実況者さんを見て知った。
それとなく自分の意見をさしはさむことに対する危惧が薄れたな、と感じる。
この話法に唯一の欠点があるとすれば、時折強烈な無個性感に襲われることだろうか。
自分が誰をインストールして喋っているか、自分で分かってしまうので、ぬいぐるみにしゃべらせている感じが拭えない。
とはいえ壮大な考え方をすれば、こう捉えることもできるかもしれない。
この世界で、一体だれが完全にオリジナルの言葉で話しているというのか。
赤ちゃんは周囲の言葉を吸収して、言葉を覚える。
最も基本的な学習方法すらインストール式なのだ。
我々が独自に伸ばしているのは、自分の語彙の中から適切な言葉を組み合わせるという、紐づけと想像力にすぎない。
……と、割り切った考えを持ち続けていれば、いずれテンプレインストールも個性の1つになってくるだろうか。
コメント